元阪神の“最強助っ人”ロハスJr.が韓国に復帰したワケ 古巣GMが明かした舞台裏「日本に行ってからも興味を持っていた」
2017年から3年間在籍した時代には、KTウィズの快進撃に貢献したロハスJr.。(C)Getty Images
かつて球界を席巻した“最強助っ人”が帰還した。現地時間12月7日、KBO(韓国プロ野球)リーグのKTウィズは、2017年から約3年間在籍していたメル・ロハスJr.との再契約を発表した。
現在33歳のロハスJr.は、日本でも知名度のある助っ人だ。KTウィズでの最終年となった2020年に本塁打(47本)、打点(135打点)の2冠王となると同時にリーグMVPも獲得。同年のオフには巨人との争奪戦を制した阪神と2年総額5億円超えの大型契約を締結し、虎党の大きな期待を受けた。
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しかし、コロナ禍での入国規制によってチーム合流が遅れた影響もあった1年目は仕方ないとしても、目に見える結果が求められた“勝負の2年目”もロハスJr.は鳴かず飛ばず。2軍との行き来を繰り返しながら1軍で89試合に出場するも、打率.224、長打率.410、9本塁打とことごとく精彩を欠いた。
結局、2年間の通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と日本では良いところなく、契約は満了。大きな失望を買った阪神退団後は、メキシコや母国ドミニカのウインターリーグに参戦。新天地を模索するためにアピールを続けてきた。
日本で「ダメ助っ人」のレッテルを貼られたスラッガーの再起に賭けたのが、古巣KTウィズだった。聯合ニュースのユ・ジホ記者によれば、契約年数こそ明かしていないものの、年俸は90万ドル(約1億3000万円)だと伝えている。
もっとも、来年5月にロハスJr.は34歳になる。韓国で成功を収めていた過去があったとしても、怪我の懸念など小さくないリスクはある。それでもKTウィズが大枚を叩いた理由は何なのか?
韓国メディア『OSEN』の取材に応じたKTウィズのナ・ドヒョンGMは、「我々は21年に彼が日本に移籍してからもずっと興味を持っていた」と告白。さらに「ウインターリーグでの状況も注意深く見ていたんだ」と電撃復帰の舞台裏を明かしている。
「今年は現地に出向いたスカウトの評価、実際の映像、そしてデータを徹底的に集めた。そのうえでイ・ガンチョル監督と一度ミーティングをした。そこでロハスのバットスピードと身体の動きがまだいけるという評価が出た。そうした熟考を重ねていった末に韓国に来れば、うまくやってくれそうだという結論になり、契約を進めることになった」