次世代の女子バレー界を担う新星、秋本美空の実力は? 「日本代表に入りたい」と公言するニューヒロインの可能性を探る

期待のルーキーがSVリーグで第一歩を踏み出した 写真:坂口功将
次世代の日本バレーボール界を担うヒロインが、新しいステージでその第一歩を踏み出した。2024-25 大同生命SVリーグ女子のヴィクトリーナ姫路に加入した秋本美空が、3月16日のホームゲームでリーグ戦初得点をマークした。
母は女子日本代表でも活躍し、2012年ロンドンオリンピック銅メダリストの大友愛。現役時代は身長184センチのミドルブロッカーとしてうならせた母親のDNAを受け継ぎ、その娘も現在185センチの恵まれた体格を備える。
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これまでのキャリアを振り返ると、東京の名門・共栄学園中学校時代にはJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会の東京都選抜入りを果たすも、当時はコロナ禍真っ只中とあって大会も無観客での開催。高さを活かしたプレーは存分にポテンシャルを感じさせたものの、日の目は見なかった。
ベールを脱いだのは、一貫校の共栄学園高校に進学してからだ。下級生時から起用されると、そこではアタック力のアップだけではなく、レシーブやトスなどにも積極的に取り組むことで“オールラウンダー”として成長を遂げていく。そのときからすでに「大友愛の娘が才能にあふれる」という声は聞かれたが、2023年に当時高校2年生で出場した第18回世界U19女子選手権大会で一躍脚光を浴びることに。チームは最終成績4位とメダルこそ逃したものの、U19日本代表でポイントゲッターを務めた秋本は大会ベストスコアラーとベストアタッカーに選出された。
迎えた翌年の高校生活ラストイヤー。共栄学園高校ではキャプテンとエースの大役を務めると、高校生活最後の大舞台「春高」こと第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会でチームを優勝に導く。同時に自身は大会最優秀選手賞に選ばれ、最高の結果で学生生活を締めくくった。
そうして春高を終えてまもなくヴィクトリーナ姫路への入団が発表され、さっそくチームに合流する。3月初旬のアウェーゲームに帯同し、8日のNECレッドロケッツ川崎戦でデビューを飾った。だが、アタックを打てども決まらず、初得点はおあずけ。以降もリリーフブロッカーなどでコートに立つ場面こそ巡ってきたが、得点は遠かった。デビュー戦から1週間を経て……。
「やっと点数を取れました。みんなが一生懸命につないだボールを決めることができてうれしかったです」