次世代の女子バレー界を担う新星、秋本美空の実力は? 「日本代表に入りたい」と公言するニューヒロインの可能性を探る

秋本はロサンゼルス五輪でのメンバー入りも期待される 写真:坂口功将
そう喜びと安堵の表情を交えて語ったのは3月16日のデンソーエアリービーズ戦。第2セットで自身初となるリーグ初得点をマークすると、その後は打点の高さとテンポの速い攻撃からポイントを重ね、終わってみればチーム最多21得点をあげる活躍を披露してみせた。チームは敗れたものの、秋本が非凡な能力を備えていることは明白。試合後、姫路のアヴィダル・セリンジャー監督は「潜在能力の高い選手です。ハードワークをしますし、ほんとうに素晴らしい。トップレベルの選手になることは確実です」と評価した。
秋本自身は昨年、女子U20日本代表に選出されており、今年はU21世界選手権も予定されている。ただ「U21日本代表に選ばれたい思いも持っていますが、いちばんはシニアの日本代表に入りたい」と本人。シニアでは2023年度に当時16歳ながら初登録されたとはいえ、「あのときは眞鍋政義監督という背景もあって選んでもらったと思うんです。ですが、ここからは自分の実力が大事になると思いますし、たとえ高校でいい成績を残していても、そのレベルでは使われない。プロ選手として活躍できるように、アピールしていきたいです」と地に足をつけつつ、言葉に力を込めた。
2028年ロサンゼルス五輪に向けて新たに女子日本代表の監督に就任したフェルハト・アクバシュ監督は3月11日の会見で「アンダーエイジカテゴリーの選手たちを分析すると、将来的な希望を感じる」と語っている。すでにアンダーエイジカテゴリー日本代表で実績を残している秋本の存在は、間違いなく新指揮官のチェック項目に入っているだろう。
「前回(眞鍋監督)と違って、今回(アクバシュ監督)は存じ上げない方なので…(笑)」とバツの悪そうにほほえんだ秋本の表情はまだまだ10代のそれだったが、バレーボール選手として秘めている可能性は無限大。注目有望選手のシンデレラストーリーは、新章に突入した。
[文:坂口功将]
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