いまだ揺れる“加藤失格問題”に仏ラジオ局は「カトウは不正の犠牲に」と嘆き 元大会ディレクターは「愚か決断」と糾弾
加藤の失格騒動を受け、批判の声が絶えないブズコワとソリベストルモのペア。両者ともにインスタグラムを閉鎖する事態に至っている(C)Getty Images
世界的な批判の声は収まる気配がない。テニスの4大大会「全仏オープン」で起きた加藤未唯(ザイマックス)の失格処分に対するそれだ。
事の発端となったのは、去る6月4日に行なわれた女子ダブルスでの一幕だ。アルディラ・スーチャディ(インドネシア)とのペアで出場した加藤が第2セット途中に相手コートに返したボールがボールガールを直撃。少女が泣き出してしまったために、最終的に失格処分を言い渡されたのである。
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もっとも、議論を巻き起こしたのは、対峙したマリエ・ブズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)ペアの振る舞いと、処分を変えたジャッジだった。一度は「警告」を通達した主審に対して執拗に抗議。これによって大会を運営するスーパーバイザーを巻き込んだ騒動となって判定は覆ったのである。
現地6月11日には大会ディレクターを務めるアメリ・モレスモ氏が、自身の会見において「ボールガールがあれだけ長く泣いているのを見たら、何かしらの決断を下さなければならないと思います。それは単に事実です」と主張。さらに「私はあの判断が良いか、悪いかをコメントするつもりはありません。そして、それ(裁定)はグランドスラムのルールブックにあり、とても明確なこと」と説明した。
がしかし、「わざとではない」と涙ながらに訴え続けた加藤の賞金とツアーのポイントまでも没収されてしまった処分はあまりに重すぎると言える。それだけに、ブズコワとソリベストルモのペア、そして大会に対するバッシングはいまだ絶えない。