「一番大事なのは…」ドジャースの“結束力”の象徴 密着記者が見たベッツという男の生き様【現地発】
「自分の成績とか、そういうことは考えない。今日チームの勝利に貢献することだけを考える。明日のことも、昨日のことも考えない。とにかく、今この瞬間に集中する」
勝負のシーズン終盤にベッツはよみがえった。打率は一時、.262まで上昇。ドジャースのラストスパートに貢献した。
スター選手の宿命でもあるが、不振が続けば、その原因を探られる。それでも、周囲の声に惑わされることはなかった。「調子が良くても悪くても、人は何か言ってくるもの。人間だから、それは自然だよ。でも、多くの場合は善意からだったりするし、受け取り方によって否定的に感じるかもしれないが、実際はそうではないことも多い。結局、一番大切なのは、自分を信じ、良いことも悪いことも自分の責任であると理解すること」。自分らしさを貫いたことで、球団初のワールドシリーズ連覇を達成する原動力となった。
もっとも、1人だけで乗り越えた訳ではない。ナ・リーグ西地区の優勝を決めた9月下旬、ベッツは仲間の助けに感謝した。
「ずっと支えてくれた。調子が悪い時も良い時も、みんなそばにいてくれた。このグループは本当に最高なんだ。言葉とか、そういうのではない。みんな大人だし、プロフェッショナルだから。結局、一番大事なのは、必要な時に誰かがそばにいることだよ」
その上で、25年シーズンのドジャースを一言で表すなら、との問いにこう答えた。
「Unity(結束)」
ファミリーのように強いチームワークも、復活の一助となった。ワールドシリーズ第7戦、最後の打球をつかんだのはベッツ。素早い動きで併殺打を完成させ、2連覇が決まった。野球の神様が見ていたかのような、劇的な締めくくりとなった。
[文:斎藤庸裕]
【著者プロフィール】
ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。
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