快進撃を続ける森保ジャパンに弱点はあるのか?アジアカップで確かめたい”最強チーム”の課題
守備は死角なし―。と言い切りたいところだが、唯一不安を挙げるとしたら、GK鈴木彩艶のところか。ポテンシャルは世界級だが、まだプロの舞台でシーズンを通してプレーしておらず、経験の少なさは否めない。ビルドアップか、あるいはハイラインを敷く最終ラインのスペースカバーか、その一方、あるいは両方で大きなミスが出る可能性は否定できない。
ただ、それは吉田麻也にせよ、川島永嗣にせよ、守備の要なら誰もが通った道でもある。避けられない。それ以上に鈴木は、相手を跳ね飛ばしながらクリアする屈強さ、一発で敵陣まで軽々と飛ばせるキック力など、日本人離れしたクオリティーがあるので、それを存分に発揮してほしいところだ。このアジアカップで鈴木のポテンシャルを開花させれば、日本はワールドカップ優勝にまた一歩、近づくことになる。
翻って、守備面でこれほど完成度が高ければ、対戦相手としては「日本にボールを持たせよう」と考えるだろう。これも当然だ。
だが、それも今の日本はあまり苦にしないはず。カタールW杯以降の森保ジャパンは、ウイングの個をベースとしたサイド攻撃に着手しており、引いた相手に対してもペナルティーエリアの角を狙った戦術が確立されている。やはりこれも、元日のタイ戦ほどメンバーが激変すれば怪しくなるが、今回アジアカップに招集されたメンバーは連係があり、問題はない。
逆に相手が引かず、ハイプレスをかけてきた場合でも、日本は昨年9月のドイツ戦で見られたように、両ウイングを生かした速攻で相手の背後を取れるので、このケースも問題はない。
ざっと日本のウィークポイントを探したが、GKの経験以外には特に見当たらなかった。それほど、今の日本は完成度が高い。あえて言えば、この半年はコンディションが良い状態でプレーしてきたので、それが連戦や120分の試合で低下したとき、守備は少し問題になるかもしれない。サブ組を含めてコンディションを管理しつつ、優勝するチームらしくターンオーバーしながら大会を戦うことがポイントだ。
今の日本代表は、まさに過去最強チーム。優勝、連勝、大量点など様々な記録を更新する可能性がある。前人未到のアジアカップ優勝へ向け、14日、好スタートを切りたい。
[文:清水英斗]
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