父を武装勢力の攻撃で亡くし、兄は今も行方不明 日本戦で2ゴールのイラク代表FWが歩んだ過酷な人生【アジア杯】
日本戦で2ゴールをねじ込んだフセイン。その気迫は凄まじいものがあった。(C)Getty Images
歴史的なアップセットだった。現地時間1月19日、サッカー・アジアカップ(杯)グループステージ第2戦で、日本代表はイラク代表に1-2で敗戦。歴代最多の国際Aマッチ連勝記録が「10」で止まり、決勝トーナメント進出はインドネシア代表との最終節に持ち越しとなった。
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優勝候補の一角を崩したイラクは、まさに熱狂の坩堝と化した。なにせ、日本がアジアカップのグループステージで敗れるのは、1988年大会で開催国となったカタールに敗れて以来、実に36年ぶりの出来事。それだけに下馬評も高くなかったが、“メソポタミアのライオン(イラク代表の愛称)”は、見事に大衆の予想を覆したのである。
快進撃を牽引したのは、189センチの大型ストライカー、アイメン・フセインだ。
開始早々の5分に左サイドからのクロスを日本のGK鈴木彩艶がはじくと、ルーズボールをヘディングでねじ込んで先制弾をゲット。これで勢いに乗った27歳の点取り屋は前半アディショナルタイム4分に、ふたたび左サイドを突破したアハメド・アルハッジャージのクロスに反応。またも頭で押し込んで2点目を奪った。
値千金の2点をもぎとったフセイン。彼は愛する家族のために並々ならぬ覚悟を持って、今大会に臨んでいる。