テストする気満々の6月シリーズで「見てみたい」2人の若手 森保ジャパンの“アップデート”を加速させる隠し玉になるか
森保監督は新戦力のテストを示唆。果たしてチャンスが与えられるのは誰か(C)Getty Images
すでに来年のW杯出場を決めている日本代表。消化試合となる6月のアジア最終予選、オーストラリア戦とインドネシア戦に向けた招集リストは、パリ五輪世代を中心に7人が初選出され、久々にフレッシュな香りが漂った。
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今回は結果にプレッシャーがない日本代表だが、対戦相手は必死も必死だ。W杯出場のため万難を排して勝ち点をもぎ取りに来るため、親善試合とは異なる、真剣勝負の中での強化マッチになる。主力の遠藤航、鎌田大地、久保建英らもある程度は招集されているので、新戦力との融合を図る、極めて実戦的な機会になりそうだ。
注目の選手は誰か?
すでに欧州クラブで活躍し、一層のキャリアアップが期待される鈴木唯人、藤田譲瑠チマ、三戸舜介、佐野航大らは、おそらく誰が監督でも今回のリストに入っただろう。気になるのは、森保監督が主観的な評価を加えつつ、あえてリストに入れたのではと思われるJクラブの選手たち。Jリーグには他にも良い選手がいる中、なぜ、この選手に白羽の矢を立てたのか。2人の若手をピックアップしてみた。
一人目は、湘南ベルマーレのDF鈴木淳之介だ。2003年生まれの21才。
招集リストの顔ぶれを見ると、今回も直近の試合と同様に、システムは3-4-2-1を踏襲することが予想される。この形は3人のCBでリスク管理しつつ、5トップ気味に敵陣に押し込んで圧倒しやすく、最終予選で重宝した。そして、次のW杯は48か国参加のため、同格や格下のチームとグループステージで同組になる可能性があり、最終予選の延長のような戦い方が求められるかもしれない。
ところが、この3-4-2-1は序盤こそ圧倒的だったものの、ホームでオーストラリアと1-1で引き分けた辺りから、対戦相手の分析と対策が強化され、日本が攻めあぐねる試合が増えた。仮に本番でも活用するのならば、3-4-2-1の活用はアップデートしなければならない。
伸びしろとして感じていたのは、3バックの攻撃参加だった。基本的にCBタイプを3枚並べているので、敵陣へ入った後にCBがドリブルで持ち上がったり、相手を引きつけてスペースを突くなど、攻撃に貢献する場面が乏しい。安定はしているが、MFとFWだけでは打開が手詰まりになるケースが目についた。
そこに、鈴木。元々ボランチの彼は、昨今の湘南では3バックの左でプレーしており、まさに上記「乏しい」と言及した攻撃参加を持ち味とする選手だ。自分が相手を引きつけることで、MFやFWを解放することができ、自らもフィニッシュへ絡む。
他にいないタイプだけに、興味を惹かれる選手。ミスを恐れず、自分の得意なプレーを出してほしいところだ。






