ギータ離脱の緊急事態に輝いた門下生とは 元ドライチ鷹戦士が師匠の負傷でつかんだチャンスに育成から昇格即ハッスル

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 沈みかけたチームを盛り立てる活躍に、試合後はお立ち台へと呼ばれた。

「またこのペイペイドームに立てているのが幸せな気持ちです。みんなここでプレーするために2軍で頑張っているので。この大歓声の中で試合できるのがとても幸せです」

 前日までは2軍の阪神戦(鳴尾浜)に参加しており、始発の新幹線で本拠地の福岡に戻ってきた。「昨日の夜の10時ぐらいに電話が来て、スタメンを伝えられました」。午前中に支配下復帰会見に臨み、午後2時開始のデーゲームに備えた。

 佐藤にとって、柳田は憧れの存在であると同時に師匠でもある。少しでも近づけたらと、オフには志願して柳田との合同自主トレに参加。右打ちではあるが強肩と俊足を武器とする外野手で、超人的な打撃の極意を盗もうと必死に食らいついてきた。今季2軍のウエスタンリーグでは34試合で打率.340、2本塁打、16打点、10盗塁の好成績を残し、声が掛かるのを待っていた。

 そしてチャンスは、尊敬する師匠の離脱で巡ってきた。「昨日ケガしたのを見てすごいショックでした。ギータさんの代わりにはなれないかもしれないけど、少しでも自分の色を出して貢献していきたいです」。複雑な思いを抱きながら、お立ち台でしっかり前を見据えた。

 報徳学園高、JR西日本を経て2019年ドラフト1位で入団。だが、昨季までの4年間で1軍では2022年の48試合出場が最多で、通算9安打にとどまっていた。この日の支配下復帰後初安打のボールは手元に戻って来た。「プロ初安打の時より、なんかうれしい気持ちですね」。失意の育成降格を乗り越え、つかんだリスタートの一歩目は、師匠の離脱で巡ってきたチャンス。元ドライチ・佐藤が、ドラマチックに1軍の世界に戻ってきた。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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