「絶対に倒す! その意気込みでラスベガスに行く」 ラスベガス決戦まで約20日と迫った井上尚弥に独占インタビュー
11月1日にマロニー戦を控える井上尚弥がKO宣言
(c)WOWOW
バンタム級のWBAスーパー王座とIBF王座に君臨する井上尚弥(27=大橋)が日本時間の11月1日にアメリカのネバダ州ラスベガスでWBA2位、WBC5位、IBF4位、WBO1位のジェイソン・マロニー(29=オーストラリア)を相手に防衛戦に臨む。井上にとっては、多くのメディアから2019年の年間最高試合に推されたノニト・ドネア(37=フィリピン/アメリカ)との激闘から1年ぶりの試合となる。そんな「モンスター」を直撃し、井上の口からは「絶対に倒します!絶対に。それだけの意気込みでラスベガスに行くので」と力強いKO宣言が飛び出した。
「無観客試合のイメージはできてきた」
もともと井上は4月25日にラスベガスでWBO王者のジョンリエル・カシメロ(31=フィリピン)と3団体の王座統一戦を行う予定だったが、コロナ禍のため計画が変更された。相手は主要4団体すべてで上位にランクされるマロニーに変わり、試合は無観客で行われる。2万人の大観衆の前で戦ったドネア戦とは状況が激変する。
以前は「その点だけが心配」と話していた井上だが、「だんだんとイメージが湧いてきました。いろいろと(無観客試合の)動画もアップされていますし、そういうのを見て自分のなかでイメージはできています」と不安は払拭されている様子だ。
もちろんトレーニングも順調に進んでいる。ただ、いつもは海外からスパーリング・パートナーを招聘しているが、コロナ禍中の今回はそういうわけにはいかなかった。「調整はいつもどおりですが、海外やほかのジムからスパーリング・パートナーを呼べなかったりしたので基本的には大橋ジムの選手とやるようにしています」と井上は説明する。相手を想定して強化した点についても尋ねたが、「それはちょっと言えませんね」と笑ってはぐらかされた。
井上はアメリカでの試合はスーパー・フライ級王者時代の3年前に経験(カリフォルニア州カーソン)しているが、ボクシングの聖地ともいわれるラスベガスは初登場となる。無観客ではあるが、試合はテレビを通じてアメリカや日本をはじめ世界中に放送される。
ボクサーの総合評価ともいえる「パウンド・フォー・パウンド」で各メディアから上位5位以内にランクされる井上にとっては、さらなるアピールの場ともなる。「ラスベガスに行くのも楽しみだし、ラスベガスでの調整もすごく楽しみにしています。高いモチベーションで試合に臨めると思います。基本的には日本と同じような気持ちでやろうかなと思っています。気をつけなければいけないのは食事面でしょうか」と話す。
約1年ぶりの試合だが、前戦で負った眼窩底骨折や右目上の裂傷がその間に完治したため、肉体面でも不安のない状態で戦いに臨める。「ドネア戦同様、熱くなるような試合をお見せできるようにやるだけです」と気負った様子はない。それでも、「1ラウンドからエンジンをかける?」との問いには「もう絶対に倒しますよ!絶対に、はい。それだけの意気込みでラスベガスに行くので。結果は自分も楽しみにしています」と熱い答えが返ってきた。