井上尚弥一問一答 「ロマチェンコはロボット」、「濃密で理想的だった70秒」

タグ: , , , 2018/12/1

パワー型のワイルダー vs 頭脳派のフューリー

(C)NAOKI FUKUDA

――さて、12月2日にアメリカのロサンゼルスで行われるWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、デオンテイ・ワイルダー対タイソン・フューリーに話題を移したいと思います。井上選手はヘビー級というとどんなイメージを持っていますか。
井上 迫力、パワー、派手なKO……2メートルを超えるような大きな男たちが戦うわけで、軽量級にはない倒し方などが見られますよね。たとえばロープにもたれこむようなクリンチであったとしても迫力があるじゃないですか。そういうところがヘビー級の魅力だと思います。

――ヘビー級と聞いて真っ先に誰をイメージしますか。
井上 マイク・タイソン(アメリカ=80年代~2000年代に活躍した元世界王者)ですね。もちろんライブでは見ていませんが、映像で見てもすごいスピードですよね。体の大きな相手にスピードを生かして潜り込む、そしてワンパンチで倒してしまう。これから僕も階級を上げていった場合、踏み込みのスピードは重要になってくるはずなんです。僕はバンタム級でも大きい方ではないので、スーパー・バンタム級、フェザー級と上げていく場合、相手はもっと大きくなる。そう考えると、角度、頭の位置、踏み込みなどタイソンの戦い方は参考になりますね。

――現役のWBC世界ヘビー級王者、ワイルダーについてはどんな印象を持っていますか。
井上 たくさん映像を見ているわけではないですが……とにかくパンチを当てて倒してしまうという印象ですね。攻撃はシンプルだと思います。特に右ストレートは強そうですね。

――40戦全勝(39KO)という戦績もインパクトがあります。
井上 すごいですよね。戦績もヘビー級ならではですね。

――井上選手の17戦全勝(15KO)も驚異的です。
井上 僕なんかまだまだですよ。これから階級を上げていけば判定が続くかもしれないし。

――そのワイルダーが迎えるフューリーは構えを左右に変えるスイッチ・ヒッターで、戦績は27戦全勝(19KO)です。
井上 フューリーは頭脳的な技巧派なんでしょう? ヘビー級では珍しいですよね。パワー型のワイルダーと頭脳派のフューリー。興味深い組み合わせだと思います。加えてふたりとも2メートル以上ですからね(ワイルダーは身長201センチ/リーチ211センチ、フューリーは206センチ/216センチ)。

――注目ポイントはどこでしょうか。
井上 ワイルダーのパワー、フューリーの頭脳、どちらが上回るかという点でしょう。

――ずばり、どちらが勝つと思いますか。
井上 う~ん……ワイルダー、かな。

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