井上尚弥のタパレス撃破を識者はどう見た?井上の第二の師匠が見解「距離の取り方とジャブの当て感が際立っていた」
タパレスは強烈な井上のパンチを殺していたが、やはりダメージの蓄積は大きかった(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
モンスターたる所以を存分に見せつけた。
12月26日に東京・有明アリーナで世界スーパーバンタム級の4団体王座統一戦12回戦が行われ、WBC&WBO王者の井上尚弥(大橋)が、WBA&IBF王者のマーロン・タパレス(フィリピン)に10回1分2秒KO勝ち。史上2人目&史上最速となる「2階級4団体統一」を成し遂げた。階級を上げて2戦目での偉業達成は、識者の目にどう映ったのか。ロンドン五輪ボクシング・フライ級日本代表であり、井上が「第二の師匠」として慕う、須佐勝明氏に話を聞いた。
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早いラウンドでのKOとはなりませんでしたが、順当に井上選手が完勝しましたね。勝利のポイントになったのは、距離感をしっかりキープできていたこと。例えば、接近戦が多すぎたりといった偏った展開になると、どうしてもリズムが変わってきてしまう。しかし、井上選手はそうはさせずに、いつも通りに自分の距離をキープして主導権を握っていました。あの遠い距離感でのボクシングは、他の人にはなかなかできない。相手にとっては未知の距離なんです。その距離をキープして、井上選手のパンチだけが当たる状態を作り、ジャブで照準をあわせて、最終的に倒してしまう。やはり、あの距離の取り方とジャブの当て感がこの試合でも際立っていました。
ただ、タパレス選手も予想以上にいい選手でした。戦略的にスタミナを温存しながら善戦していたと思います。
前半はタパレス選手が、井上選手のパンチを上手く殺していました。ガードを固め、体勢を低くしてスタンスを広くとり、ダメージを減らしながら打ち疲れを待つような戦い方をしていました。そこは上手かったですね。中盤のラウンドになると、井上選手の息があがっている場面も見られたくらいです。