Sバンタム級に「倒せる選手はいない」 タパレス母国識者が語った井上尚弥の「真価が試される」時とは?
タパレスも猛攻で打ち砕いた井上。強固なブロックを固めた相手を破った“怪物”に限界はあるのだろうか。(C)Getty Images
井上尚弥(大橋)が史上2人目の2階級での4団体統一を果たしたマーロン・タパレス(フィリピン)との決戦。世界が「モンスター」と感嘆したパフォーマンスは、いまだ色褪せない。
井上が「当てづらかった」と振り返ったタパレスの守備とカウンターを狙った駆け引きは見事だった。しかし、4回にダウンを奪った日本人チャンプは攻勢を強め続け、10回に「本当に身体が動かなかった」と言わせる強烈な右ストレートを炸裂。激闘を制していた。
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タパレス撃破でプロキャリアの成績を26戦無敗23KOとした井上。群雄割拠のボクシング界で図抜けた強さを誇る怪物に衰えはいまだ見えない。少なくともスーパーバンタム級においては、「敵なし」と言っても過言ではないはずだ。
井上の圧倒的な戦績は、タパレスの母国でも反響が広まり続けている。フィリピン放送局『ABS-CBN』でアナリストを務めるエド・トレンティーノ氏は、ニュース局『CNN』で「イノウエはとてつもないパンチ力とリング上での支配力を誇っている。彼の成長はまだまだ終わっていない」と絶賛。「彼は史上最高のパウンド・フォー・パウンダーの一人であり、日本にとって彼は本当に宝石のような存在だと言える」とした。
タパレス戦後のリング上で井上は「今の適正階級はスーパーバンタム級だと思っているので、来年、再来年とまたこの階級でもっと強い姿を見せられるように精進していきたい」と明言。手にした4本のベルトを保持していく意向を示した。
そんな井上が今後に対戦する可能性があるのは、元世界2階級王者ルイス・ネリ(メキシコ)や、前WBAスーパー、IBF世界同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)といった名手たちだ。