井上尚弥戦の日本開催は「彼らの名誉のため」 ネリのプロモーターが明かした舞台裏「処分解除は理にかなっている」
井上(右)との対戦が濃厚となったネリ(左)。東京ドームでの興行が間近に迫り、交渉の舞台裏も明らかになってきた。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images
日本の“モンスター”との大一番に向け、元世界2階級制覇王者と、その陣営は小さくない障壁を乗り越えてきた。
現地時間1月24日、米スポーツ専門局『ESPN』をはじめとする複数の米メディアは、来る5月6日に東京ドームで、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(大橋)と、WBCスーパーバンタム級1位のルイス・ネリ(メキシコ)がタイトルマッチを行うことで合意したと報じた。
昨年12月に井上が史上2人目となる2階級での4団体統一を果たした直後から、両雄が今年5月の対戦が見込まれていた。実現に向けた課題のひとつは、WBC年次総会で指名挑戦者として認められていたネリに課されていた“厳罰”だった。
ネリは2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチとして山中慎介氏と対戦した際にドーピング違反と体重超過を犯し、王座から失脚。さらに2度も繰り返された蛮行に対して、JBC(日本ボクシング・コミッション)からは日本国内での無期限活動停止という厳罰を受けていた。
事実上の永久追放と言うべき厳しい処分だった。それが解除されるとなれば、異例だが、その舞台裏も関係者によって明らかにされている。“悪童”ネリのプロモーターを務めるフェルナンド・ベルトラン氏は、米YouTubeチャンネル『Fight Hub TV』において「ネリに制裁を課し続けたのは、日本のプロモーターたちだ。彼らが名誉や誇り、愛国心のため、そして自分たちに敬意を欠いた相手へのリベンジのために今回のような機会を与えたんだ」と指摘した。