井上尚弥への“挑発”は敬意の裏返し? 元世界2階級王者がネリの言動を分析「イノウエには勝負になる相手がいない」
井上に敵地で挑むネリ。そんな悪童が発した挑発的な発言が波紋を広げている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、来る5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を迎える。同会場でボクシングの世界戦が行われるのは、1990年2月11日にマイク・タイソンとジェームス・ダグラス(ともに米国)がヘビー級王座戦を繰り広げて以来の快挙だ。
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文字通りの歴史的な一戦を前に緊張感が高まるなかで、“挑戦者”の言動が物議を醸した。現地時間4月9日に米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』のインタビューに応じたネリは、井上に対して強気な持論を展開した。
「彼の試合を見てきたが、過大評価されているように思うし、平凡な選手だと思う。少なくとも俺にはそう見える。判定勝ちを求めて日本へ行くわけじゃなく、KOを求めて日本へ行くんだ」
さらに「イノウエは他の奴らと同じように普通の選手だ」とも切り捨てたネリ。歯に衣着せぬ発言が話題を集める“悪童”だけに、心理戦の要素を含めたトラッシュトークの一環なのだろう。しかし、世界的に声価を高める井上を「平凡」「過大評価」という辛辣な言葉で批判したことで、小さくない波紋を広げた。
ただ、元世界王者からはネリの“狙い”は見透かされている。元世界2階級制覇王者ポール・マリナッジ氏は、米ボクシング専門YouTubeチャンネル『ProBox TV』で「セールストークの側面はあるだろう」とキッパリ。続けざまに「ボクシングでは明らかな“ミスマッチ”が起こってしまうことがある」と両者の実力差を指摘した。