「私は実現させる」井上尚弥vsデービスの電撃対戦をサウジ長官が宣言 怪物の世界進出に自信「イノウエを日本だけで戦わせない」
この点については、デービスも過去に言及しており、英専門メディア『Boxing News』で「俺が130パウンド(58.97キロ、スーパーフェザー級)まで下げられて、イノウエも少し上げられれば、あり得ないこともない」としていた。
デービスにとっての減量、そして井上にとっての3階級分の増量は、決して簡単な所業ではない。これこそ階級制スポーツの難しさである。
ただ、互いに歩み寄る形でのキャッチウェイトで実現させようと動くアラルシク氏は「イノウエは素晴らしいファイターだ」と断言する。一方で、こう注文をつけてもいる。
「重要なことがある。それはイノウエを日本国内だけで戦わせ続けないよう、世界に彼を見せなければならない。彼を我々のところに来させ、サウジアラビア、米国、ロンドンで試合をさせるようにする。我々はそのための話し合いをする準備ができている。もしも、彼が数年後に引退をするとして、その試合の99%が日本で行われたようなことにでもなれば残念なことだ」
以前から井上の本格的な国外進出については各所で議論されてきた。これについては当人が「試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く」とXで発信するなど、日本開催にこだわる意味は示されている。
とはいえ、オイルマネーを背景にした莫大な収入が手に入るとなれば、話は変わってくるかもしれない。サウジアラビアが主催の興行となれば、大橋秀行会長が「倍ではきかない」と目を丸くする金額に達し、それこそ井上の望む評価を得られる可能性もある。
それでも何よりも自身のベストを出すことにこだわってきている井上が、サウジの王族側の言う「適正体重」に応じるかは不透明だ。アラルシク氏は「実現できる」と意気込むが、やはり現時点でデービス戦は“ドリームマッチ”の域を出ないと言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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