過小評価に「王者は俺だ!」と一蹴 井上尚弥戦に向けてフルトンが主張「イノウエが打たれたら評価は変わる」
最強の挑戦者と評される井上との大一番に向けても、王者フルトンに動じる素振りは見られない。(C)Getty Images
ボクシング界を賑わせる“世紀の一戦”は、ゴングの瞬間が間近に迫っている。7月25日に東京・有明アリーナで行なわれる2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)と挑戦者の井上尚弥(大橋)によるWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチだ。
互いにキャリア無敗で、文字通り敵なしの強さを誇ってきた。ゆえに注目度は軽量級のそれではないほどに高まっている。とりわけ、今年1月にスーパーバンタム級での挑戦を決めた井上を、同階級で「最強」の呼び声が高いフルトンがいかに迎え撃つのかには熱視線が注がれている。
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周囲の喧騒をフルトンは意に介していない。21日(現地時間)に公開となった米老舗誌『The Ring』のインタビューで29歳のチャンピオンは、「俺は自分のことに集中している。トレーニングは順調だ。とても良い感じだ」と吐露。日本のモンスターからのタイトル防衛に自信を覗かせた。
「ボクシング界で俺のことを信じているのは10%ぐらいだと思う。これでチャンピオンと対戦するのは4回連続だ。俺はチャレンジが大好きなのさ。俺の人生はチャレンジの連続だったからね」
フィラデルフィアに生まれ、10代の頃にはお金欲しさに薬物の売人の世界に踏み入れようした。そんな生い立ちをふまえて「人生はチャレンジの連続だった」と表現するフルトンは、井上との戦いにも「彼は俺より小さいが、それは何の意味も持たない」と油断は全くない。
「俺は(ブランドン)フィゲロアよりもずっと小さかったが、俺が彼にしたことを見てみろ。俺がリスペクトを全く得ていないことは、あるいは相応しいリスペクトを得ていないことは知っている」
もっとも、この一戦に向けて、数多の識者が井上の有利を宣言している。格式ある『The Ring』のタグ・フィッシャー編集長も「もちろんフルトンにも見せ場はあると思うが、井上は8ラウンド以降にボディーを炸裂させ、相手を痛めつけ、渾身のヘッドショットでアメリカが生んだ傑物を仕留めるだろう」とフルトンの敗北を予想する。