井上尚弥は「世界最高だ」 再び井上尚弥戦を回想したフルトンが漏らした“本音”「あの体重でやるべきじゃなかったのかも…」
階級制のスポーツが持つ難しさを説く元世界王者は「つまり落とせる体重と戦える体重は違うってことかな。あの階級に長く留まり過ぎたんだ」とも吐露。井上戦以前から「全然ダメだった。実は2回ぐらいでフラフラになっていたこともあった」と続け、21年12月に行われ、12回判定勝ちを収めたブランドン・フィゲロア(米国)との試合も「気持ちだけで勝った感じだった」と振り返った。
無論、井上の才覚を軽んじる気はない。フルトンは「イノウエも俺がベストなコンディションじゃないことは分かっていたはずだ」としながらも、リングで拳を交わした者だからこそ分かるモンスターの凄みを語った。
「イノウエの技術は本当に高かった。スキルが高い者同士だからこそ分かるんだ。お互いに強い者だからこそ分かる強さってあるんだよ。見えるパンチに関しては何とかなるレベルではあった。距離を取らなくてもブロックで対応はできた。ただ、俺が倒されたパンチはハッキリ言って見えなかった。それがイノウエの強さなんだ。PFP1位に納得かって? 当たり前だ。俺を倒しているんだぞ。1位か、そうでなくても2位には入る。世界最高の選手だ」
井上に敗れてから「俺にとっては減量が一苦労だった」と言うスーパーバンタムからフェザーに転級したフルトン。来年2月にはフィゲロアとの世界戦も決まり、再起に向けた道のりも順調だ。
井上も将来的なフェザー転級を明言している。果たして、フルトンがふたたびモンスターと拳を交わす日は訪れるか。元世界王者の今後を興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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