「フルトンを破壊した」井上尚弥の圧勝劇に米英メディアも驚嘆! “王者粉砕”シーンは「残酷なまでに打ち砕いた」
フルトンを内容でも圧勝した井上。一部の識者たちの予想を覆す勝利に賛辞は止まらない。(C)Getty Images
文字通り敵なしの強さを誇ってきた“怪物”は、難攻不落の王者をも飲み込んだ。
7月25日、ボクシングの前世界バンタム級4団体統一の井上尚弥(大橋)が、東京・有明アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・スティーブン・フルトン(米国)に、8回1分14秒TKOで勝利。世界戦20連勝を果たすとともに、4階級制覇の快挙をやってのけた。
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試合前から「モチベーションは過去イチ」と意気込んでいた井上の圧倒的なパワーは、これまで21戦無敗を誇ってきたフルトンを容赦なく仕留めた。勝負が決したのは終盤8回、王者の集中力がわずかに切れたかに見えた刹那の出来事である。
一瞬だけガードが下がったタイミングを見逃さなかった井上は、右のストレートで相手の顎を打ち抜くと、背後によろめいたところに追い打ちをかけるように左フックを炸裂。これでフルトンがダウン。一度は立ち上がるも、一気に仕留めにかかったチャレンジャーの猛ラッシュを浴びると、レフェリーストップがかかった。
本人が公式会見で「今まで以上に良い試合ができる」と語った自信を見せつけた井上。スーパーバンタム級でも王座についた新チャンプには、海外メディアもただただ驚くばかりだ。
この試合を全米だけでなく中南米で中継していた米スポーツ専門局『ESPN』は「イノウエは評判を守り抜くとともに、フルトンを破壊した」と賞賛。さらにKOシーンについて「一瞬の出来事だった。右ストレートと左フックを全く避けられなかったフルトンになす術はなく、レフェリーも止めるしかなかった。イノウエは我々が王者を普通のようにボクサーに見せてしまった」と描写した。