井上尚弥に勝つには「守備」しかない サウジ決戦が迫るメキシコ戦士が漏らした怪物への“戦略”「弱点を見出すというよりも…」
ピカソ戦が間近に迫る井上。その強さに欠点など見られない(C)Getty Images
「一瞬で全てが変わってしまう」
群雄割拠の現ボクシング界において「最強」とも評される“モンスター”といかに対峙すべきか。これは井上尚弥(大橋)からの勝利を狙うライバルたちにとって、最大にして、最重要な難題と言えよう。
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なにせ明確な弱点が見当たらない。2024年5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦、そして今年5月のラモン・カルデナス(米国)戦で、それぞれダウンを喫し、自身4階級目となるスーパーバンタムでの適応に課題があるようにも思われたが、いずれの試合も井上はKOで勝利している。
加えて、今年9月のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦では終始圧倒。「倒しに行かないことがこれほど難しいんだなっていう発見はありました。堪えて判定に持っていけたっていうのは、一つ自分の中で良かった」と“過去最強”と目されたライバルを相手に、スケールの大きさを見せつける形で白星を飾った。
また、昨今の井上はタフさも際立っている。今年は、来る12月27日にサウジアラビアのリヤドで行われるアラン・ピカソ(メキシコ)との決戦が実施されれば、年間4試合をこなす形となる。ここまでのハードワークは、各階級の国際的なトップランカーたちを見ても、まさに異例。井上がいかに超人的かを物語っていると言えよう。
文字通り「無敵」のモンスターの牙城を崩すのは一筋縄ではいかない。どれだけ徹底した策を講じても、あっさりと突き破られる。それでもライバルたちはあの手この手を模索する。
当然ながら、「THE RING V:NIGHT OF THE SAMURAI(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」と銘打たれたサウジ決戦が迫るピカソも思考を巡らせる。メキシコ・メディア『『IZQUIERDAZO』のインタビューに応じた25歳は、「ナオヤは、とても爆発的なファイターで、一瞬で試合の流れを変えられる。だから僕らは常に彼に対して精神を研ぎ澄まし、集中力を切らしてはならない。じゃないと、一瞬で全てが変わってしまう」と強調し、守戦的な戦術を取る可能性に触れた。
「(井上に)弱点を見出すというよりも、僕らは防御を駆使しながら戦うことを考えているよ。優れたディフェンスを駆使しながら、試合を自然と展開していく。その場で、その場で、スタイルをどう変えていくかを判断するつもりだ。戦略の詳細をあまり明かしたくないが、要するに、僕にとってナオヤと戦う上では守りが最も重要だってことだね」





