井上尚弥に勝つには「守備」しかない サウジ決戦が迫るメキシコ戦士が漏らした怪物への“戦略”「弱点を見出すというよりも…」
井上との対戦が迫り、持論を展開するピカソ(C)Getty Images
熟考を重ねた末の「最適解」は――
実際、理にかなった策かもしれない。
身長173センチで、リーチは178センチと井上を体格で上回るピカソだが、過去33戦(32勝1分け)でKO数は17(53.13%)とパワー不足は否めない。数多の猛者をリングに沈めてきたモンスターほどの爆発的なパワーを持ち合わせていないのであれば、「最も重要」と語る守備的な戦いで距離感を保ちながら、機を見計らって繰り出すカウンターでポイントを挙げていくスタイルこそが最適にもなり得る。
“メキシコの東大”と言われる国立自治大に在学する秀才に通う秀才ファイターは、こうも続けている。
「まぁ12ラウンドを戦いきれるように備えているよ。たとえ以前のように15ラウンドになっても、僕は問題なく挑むつもりだ。戦いが進むにつれて、攻撃に出るべきなのか、守備的に振る舞い続けるべきかを調整すれば良い。それに、ナオヤは今年に4試合も戦っている。精神的にも少し疲れているかもしれないでしょ」
無論、井上を軽んじているわけではない。眼前に立ちはだかる絶対王者が地力で到底及ぶ相手でないのは百も承知だ。ゆえにピカソは、「彼との戦いは、一秒たりとも気が抜けない。まるでF1マシンに乗るかのように臨まなければならないと思っている」と訴える。
「すべてを完璧に調整し、すべてを限界まで押し上げなければならない。そして、最初のパンチを食らった瞬間、自分が何をすべきか気づくと思うんだ。リング上で計画した通りに実行できるとは限らない。相手がナオヤならなおさらね。だから最初のパンチを食らうまでは、どう戦うかを考え続けるよ」
熟考に重ねた末に、井上への“最適解”は見出せるのか。ピカソの言う「瞬間」を興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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