「倒せなかった試合、ではない」気持ちの“折れない”ピカソを封じた井上尚弥の巧みさ「極めて高度な技術戦だった」

タグ: , , , , , , , 2025/12/28

井上は自分の距離感をしっかりとつかみ、ピカソを封じた(C)Getty Images

 現地時間12月27日、サウジアラビア・リヤドで行われたスーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(大橋)は、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)に3-0の判定勝ち。この試合を識者はどう見たのか。ロンドン五輪ボクシング・フライ級日本代表であり、井上が「第二の師匠」として慕う、須佐勝明氏が王者が見せた“現代ボクシング”を読み解く。

【動画】これぞ偉才の打ち合い ピカソのパンチを悠々と見切る井上尚弥のファイトシーン

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 お互いの良さがしっかりと出ており、内容としては素晴らしい好ファイトだったと思う。

 井上選手の出来については、「倒せなかった」という事実だけで評価すべきではない。年間4試合という過密なスケジュールの中で戦い続け、その最終戦でのパフォーマンスに対する自己評価は低かったようだが、それでも随所に井上選手らしい高度な技術が見えていた。ガードをあえて下げ、懐を深く取って相手を誘いながら戦う。相手からすると非常にやりづらいスタイルは健在で、細部の技術はやはり別格だった。

 序盤の井上選手は倒しに行く姿勢が見えたと思う。遠心力を活かした強振を積極的に繰り出し、ガードの上からでもダメージを蓄積させていくような戦い方で、序盤は非常にうまくいっていた。

 後半になると右のパンチが少なくなった印象があり、どこかを痛めたのではないかという疑念もよぎった。5、6ラウンドでボディを効かせた場面でもう一段ギアを上げれば、KOの可能性もあっただろう。しかし、それでも倒し切れなかった背景には、ピカソの若さや勢い、そして折れないメンタルがあった。最後まで気持ちが途切れず前に出続けた挑戦者の闘志が生きた形だ。

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