衝撃ダウンでも評価は不変 メキシコの名伯楽が説いた井上尚弥の“凄み”「あそこで止めなければ、カルデナスは怪我をしていた」

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猛烈なラッシュでカルデナスを仕留め切った井上。(C)Getty Images

 世界的な関心を集めたリングで井上尚弥(大橋)が見せた挽回劇は、ボクシング大国の名伯楽も感激させた。

 国際的にも話題沸騰となったのは、現地時間5月4日に米ネバダ州ラスベガスで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦だ。約4年ぶりに“ボクシングのメッカ”に返り咲いた井上は、WBA同級1位のラモン・カルデナス(米国)を8回45秒TKOで撃破。タイトル防衛を果たすとともに、伝説の世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)が保持していた世界戦での通算KO記録(22)を77年ぶりに更新した。

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 2回にカウンターで繰り出された左フックを被弾してダウン。場内が騒然となる展開で出鼻をくじかれた井上だったが、そこからの立て直しは圧巻だった。ダメージを回復させた4回以降に主導権を握り直すとカルデナスは防戦一方に。そして、7回にダウンを奪ったモンスターは、8回に猛ラッシュを展開。相手がグロッキー状態となったところでレフェリーが試合を止めた。

 カルデナスの健闘ぶりをもさることながら、プレッシャーのかかる状況下で試合を組み立て直し、TKOで終わらせた井上の地力の強さが光る一戦だった。

 このドラマチックな防衛劇には、メキシコ・ボクシング界の名伯楽も心を震わせた。同国のスポーツ・メディア『Izquierdazo』の取材に応じたイグナシオ・ベギリスタイン氏は、「もはや『モンスター』という表現では不十分だ。彼は並外れたファイターだ」と激賞した。

 その手腕で多くの名手を育て上げてきた。愛弟子に元世界4階級制覇王者のファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)や同じく世界2階級制覇王者のダニエル・サラゴサ(メキシコ)らを持つベギリスタイン氏だけに、その目に狂いはない。

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