ゴルフ大好き松木安太郎が語るチームプレーの難しさ、エース・畑岡奈紗の期待値
先日、ホスト国である韓国の優勝で幕を下ろした、第3回女子ゴルフ世界一決定戦「ULインターナショナル・クラウン」。畑岡奈紗、上原彩子、比嘉真美子、成田美寿々の4名で世界のゴルフ強国に挑んだ日本チームは惜しくも予選ラウンドのプレーオフで敗れ、決勝ラウンドには進めなかった。WOWOWの番組で日本代表チームの応援団長を務めたサッカー解説者でおなじみの松木安太郎は、チームプレーを熟知するものとして今回の団体戦での戦いをどう見たのか。そして終盤戦のアジアシリーズ、フロリダでの最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」を控えた現在、LPGA女子ゴルフツアー賞金ランキング6位の畑岡への期待感と、1987年の岡本綾子以来となる日本人で2人目のLPGA女子ゴルフツアー賞金女王となるための今後の道筋とは!?
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お互いに気を使いすぎて実力を発揮できなかった
——第3回「ULインターナショナル・クラウン」はホーム試合となった韓国が見事優勝しました。日本チームは残念ながら決勝ラウンドには進めませんでしたが、日本代表応援団長として、その戦いぶりをどう感じましたか?
松木安太郎(以下、松木):団体戦の難しさ、を痛感したんじゃないでしょうか。個々のレベルは高いとは思いますが、チームとなるとちょっとしたお互いのタイミングの違いとかでズレが生じたりとか、上手くいかないことがあるんでしょうね。
——日本代表チームのキャプテンを務めた上原選手は「どんどんチームの状態が良くなって行っているのが感じられたので残念だった」と悔しがっていました。
松木:それは僕も感じましたね。決勝ラウンドに進んでいたら、また違う戦いが見れたかもしれない。上原選手と畑岡選手のマッチングも良かったですし。上原選手の経験値のおかげで畑岡選手が伸び伸びと楽しくプレーしているようなそんな雰囲気も伝わってきました。比嘉選手と成田選手も素晴らしいプレーがたくさんありましたし、世界の強豪プレイヤー相手に健闘したと思っています。本人たちは勝てなくて申し訳ありませんとコメントしていましたが、それが次のバネになるはずです。
——チームプレーを熟知している松木さんから見て、団体戦における改善点などは見受けられましたか?
松木:そうですね。サッカー選手でも個々のレベルは高いのにセレクションで集めると、最初はなかなか上手くプレーできない場合もあります。当然コミュニケーションも重要となってきますから、特にゴルフのように個人競技が主でプレーしている選手からすれば、団体戦だとお互いに気を使いすぎて実力を発揮できなかったシーンもあったように感じます。大会期間中、試合前後でもっと一緒にご飯食べに行ったりとか、そういうプレー以外の時間もチームメイトで過ごしていれば、もっと結果が違ったんじゃないかとか勝手ながら想像していました。
——アメリカやヨーロッパのチームは「ソルハイムカップ」で団体戦のスキームは持っていますしね。ホスト国の韓国も今回はかなり本大会に向けた練習を重ねてきたようですし。
松木:今回出場した日本代表選手も次回大会にもし出ることになったら、結果は確実に良くなっていくでしょうね。今後は日本でもそういった経験を積める環境の構築が大切になってくると思います。例えば、サッカーのアジアカップのように、アジアの中だけでも代表チームの国際大会をやるとか。そうすれば、日本はもちろん、アジア全体のレベルももっともっと上がって行くのではないでしょうか。