仙台育英vs慶應の甲子園決勝は偶然ではなく運命、高校野球の開拓者である両指揮官の激突
注目を集める甲子園決勝。仙台育英と慶應はどんな戦いを見せてくれるのか(C)ACPHOTO
激突すべき運命の相手との決戦。
慶應・森林貴彦監督、仙台育英・須江航監督の両指揮官は同じ想いを抱き、23日14時プレーボールの決勝の舞台に向かう。
【画像】田中氏は慶應野球部でコーチングを行ったこともあったという
高校野球界の開拓者として注目される二人。森林監督が50歳、須江監督は今年40歳になったばかりという若き名将だ。
共通点は「高校野球に理念を注ぎ込み、高校野球を変える」という思いがある。
須江監督は「大切なのは“テーマを持つ”ということ」「組織は理念が無ければ行動がぶれる」「学ぶこととは目の前に起きることを一生懸命やること」という言葉を何度も口にし、部の不祥事を乗り越え、部を立て直し、そしてコロナ禍に耐え、昨夏に頂点に立った。「青春は密」という名言も記憶に新しいところだ。
一方の森林監督は慶應義塾創設者・福沢諭吉が掲げてきた「異端と先導」という言葉を重んじ、高校球界にイノベーションを起こそうと高校野球界の課題点を積極的に発信する勇者である。選手たちに考えさせる環境を作る「シンキングベースボール」、選手たちが如何に行動、言動をとれば野球を楽しむことができるか。頑なといっていいほど、その環境を作り続けた。その「エンジョイベースボール」が見事、功を奏し、実に1世紀ぶりに決勝の舞台にコマを進めた。
深紅の大優勝旗はどちらの監督のもとへ渡るか。