【女子バレー】新生ジャパンの「核」は見えたか? 日本ラウンドで注目すべき“土台作り”のポイントとは
その石川の言葉にも出たように、コミュニケーションをとって共通認識を持つことは、チームづくりにおいてはもちろん、試合を戦う上でも不可欠な要素だ。その重要性をチームは戦いを通して実感している。例えば予選ラウンド第2週のタイ戦(現地6月18日)で日本は2セットダウンのピンチに。「序盤でバックアタックが抜けてしまっていた」というセッターの関菜々巳(ブスト・アルシーツィオ/イタリア)に対して、周囲から「バックアタックいけるよ」といった意見が注がれ、関もトスワークを修正して逆転勝利につなげている。結果として開幕からの連勝を5まで伸ばすことに成功した。
その一方で連勝がストップした翌イタリア戦(同20日)、連敗となった中国戦(同21日)で競り合いに持ち込む展開や時間帯を作れたとはいえ、「スタートが悪く、そこから点数を詰めようとしても厳しかったので、出だしを修正していきたい」と石川。加えて「悪い状況でアイコンタクトがなくなってきているところがあるので、しっかりと目を合わせていきたい」とアクバシュ監督体制下の新キャプテンは予選ラウンド2週を終えてチームに改善を促した。
戦術の土台という点では、効果的なサーブを起点に、ブロックとレシーブの関係性を構築することで相手に決定機を与えず、切り返しては石川と対角に入る佐藤淑乃それにオポジットの和田由紀子(ともにNECレッドロケッツ川崎)が中心となって得点を重ねるスタイルでここまで戦ってきている。と同時にミドルブロッカーは実績ある面々を使い分け、リベロは試合や状況に応じて都度変更、控えで入るメンバーにもフレッシュな顔ぶれが並ぶなど、選手起用も含めたチームづくりはまだまだここから様々な可能性にトライしていくことは確かである。
千葉ポートアリーナ(千葉)にて7月9日から13日にかけて行われる予選ラウンド第3週。さらなる飛躍へ、一歩ずつ前進し続ける女子日本代表をぜひ、ご覧あれ。
[文:坂口功将]
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