波紋を呼んだ日ハム3選手の「ノンテンダーFA」って何? メジャーリーグとNPBの選手契約事情の大きな違いとは

タグ: , , , 2021/11/28

 まずメジャーリーグでは、契約年数が切れたFA有資格選手は、オートマチックにFAとなる。加えて日本と比べると、年俸調停制度がしっかりと機能している。メジャーリーグではサービス(実働)年数が3年を超えた選手は年俸調停権を得る。それまではどれだけ活躍した新人でも、ほぼ最低年俸(約6000万円)に近い額で安く飼い慣らされる。ただ調停権を得ると、年俸の大幅アップが可能だ。そこまでレギュラークラスの活躍をしていれば、4年目からは安く見積もっても3億円以上の年俸を手にできる。調停では選手側と球団側が互いに希望する金額を申告し、いずれかの額に決着する。そうなると、自然と予想年俸の幅が分かってくる。

 例えば4年目までは活躍したが、5年目にトミー・ジョン手術した投手がいたとする。全治1年以上で、6年目は全休が決定的。それでも過去の実績から鑑みて、調停では数億円の年俸に落ち着くことが予想される。こうした選手はノンテンダーFAとして放出されるか、将来性を見込まれて長期契約が検討されるか、いずれかの道をたどることになる。

 日本ではFA権を保有しても、選手自らが宣言して手を上げない限り、FAにはならない。また年俸調停制度も骨抜きで全く機能していない。初めて調停申請したのは1972年、阪神のレオン・マックファーデンだったのだが、そこから50年近く経つが申請者は累計7人止まり。2010年、西武の涌井秀章を最後に申請者はいない。調停が機能しないため、来季年俸の予想レンジを超えた減俸も可能で、ノンテンダーFAが生まれにくい土壌がある。

 3選手の去就先がどうなるのかはまだ分からないが、実績ある主力選手への処置というのは球界への一つの問題提起にはなろう。移籍の活性化は、本来は選手側の日本プロ野球選手会が強く訴えていたことでもある。ただ、その件に対して球団側が警告し続けてきたように、そうなることで職を失う中堅選手が多く出ることも、容易に想像できる。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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