意気衝天だった若武者が見せた“渋り” 「打倒・井上尚弥」をアピールしてきた挑戦者グッドマンの交渉停滞に疑問
井上がマーロン・タパレス(フィリピン)とのスーパーバンタム級4団体統一戦を終えた今年3月には、「俺は偉大になるためにこのスポーツをやっている。イノウエとの試合はアスリートとしてやりたい試合じゃないか?」と豪語。「俺に『お前には倒せない』と安易に批判する批評家たちに『くそったれ』と言って、見せつけてやりたいんだ」とも語り、世界タイトルの獲得する夢をぶち上げていた。
グッドマンの強い意向は、彼の陣営も後押ししていた。ローズ氏は豪国内でも最大級のネットワークを誇るスポーツ専門局『FOX Sports』で「イノウエが残してきた功績こそ、日本の会場を超満員にする理由であり、世界中でこれほど多くのファンを抱えている理由であり、彼が世界タイトル戦に臨むたびに世界中が注目する理由だ。もしも、(試合を)開催できるならこれほど歴史的なことはない」と支援を約束していた。
すでに大橋ジムとの関係を深める元IBF世界同級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)との交渉も進み始めているという。無論、井上戦で得られる莫大な収入を考慮したグッドマン陣営が9月開催の合意で態度を改める可能性もゼロではない。いずれにしても、交渉期限はさほど残されていない。
最終的にグッドマン戦は無事に決まるかもしれない。しかし、指名試合の交渉で続く疑問の“渋り”が、井上との熱戦に向けた機運に水を差した感は否めない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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