次戦が混沌化する井上尚弥のフェザー転級を英敏腕プロモーターが語る「イノウエが負ける唯一の形は階級の上げ過ぎ」

タグ: , , , , , , 2024/5/25

階級上げには慎重な井上の答えは――

 もっとも、井上は少なくとも年内はスーパーバンタム級で試合を継続する意向を明言。彼を支援する米興行大手『Top Rank』のボブ・アラムCEOも、ネリ戦を前にした取材対応で「オオハシさん(大橋秀行会長)とも話したが、年内はスーパーバンタム級でいようという話がある」と明言している。

 それでも、井上の実力と人気を高く評価するハーンCEOは、こうも続ける。

「イノウエが打ち負かされる唯一の形は階級を上げ過ぎることだ。それは、ボクシング界では、よく見られるケースだね。あのロマチェンコでさえも彼にとって少し大きすぎる選手たちと戦った時に打ち負かされ始めたんだ。彼は130ポンド(58.97キロ、スーパーフェザー級)の選手で126ポンド(57.15キロ、フェザー級)の選手でもあった。

 それは階級を上げてきた選手たちの多くが目の当たりにしてきたことで、おそらくクロフォード(8月に階級を上げてスーパーウェルター級の世界王座に挑戦)にも起きることだろう。そして、フォードと戦うとなった場合のイノウエにもそれが起きる」

 フェザー級も猛者が集う場所だ。フォードと同様に井上戦実現を示唆するIBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に加え、WBO世界同級王者のラファエル・エスピノサ(メキシコ)、WBC世界同級正規王者のレイ・バルガス(メキシコ)、そしてカリスマ的人気を誇るブランドン・フィゲロア(米国)がタイトル戦線にいる選手たちだ。いずれも1階級下で圧倒的な存在感を放つ井上を気にかけているに違いない。

 常にベストを求めてきた井上が、何よりも慎重に続けてきた階級上げを「強敵がいない」からとすぐさま実施するかは分からない。だが、軽量級の中心にいる“モンスター”に対して、ハーンCEOの言うようなビッグマッチの提案が届くのも容易に想像できる。

 果たして、井上はいかなる答えを出すか。その動静には文字通り世界が関心を寄せている。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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