「反対勢力」も多かったMGCの一発選考は大成功、真の評価は1年後の五輪の結果で
一発勝負の醍醐味が凝縮されていた。
男女上位2人が20年東京五輪の代表に内定する「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」が15日に開催され、中村匠吾(26=富士通)が2時間11分28秒のタイムで1位、2位の服部勇馬(25=トヨタ自動車)が五輪切符を獲得。日本記録保持者の大迫傑(27=ナイキ)が3位だった。女子は前田穂南(23=天満屋)が2時間25分15秒で1位、2位の鈴木亜由子(27=日本郵政グループ)の2人が五輪代表に内定した。
心踊る「日本一決定戦」
複数の五輪選考レースによる『疑惑の選考』が続いた過去の反省から、あいまいさをなくした、誰にもわかりやすい一発選考への試み。反対勢力も多かったという今大会だったが、フタを開けてみれば、沿道には主催者発表で52万5000人が集まった。テレビ視聴率も男子を中継したTBSが16・4%、女子を中継したNHKが13・5%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)と高い注目度を集めた。これまで有力選手が分散し、同じスタートラインに立つことがなかっただけに、「日本一を決めるレース」はファンの心をおおいに躍らせた。
東京・明治神宮外苑を発着する来年の五輪と同じコース、ほぼ同じ時期に開催し、本番を見据えた。MGC参加人数は男子31人、女子12人。それまでの選考レースで、一定のタイムや条件をクリアした人しか出場権がなかったため、力のあるメンバーがそろった。とくに男子では、正月のビッグイベントである箱根駅伝に出場経験のある選手が25人。優勝した中村は駒大、2位服部は東洋大、3位大迫は早大で、それぞれ箱根駅伝で区間賞を獲得している。