「反対勢力」も多かったMGCの一発選考は大成功、真の評価は1年後の五輪の結果で
箱根でお馴染みの…
箱根でおなじみの名前が多かった。優勝候補の一角に挙げられていた、前日本記録保持者の設楽悠太(27=ホンダ、東洋大卒)がスタート直後から飛び出す。一時は2分以上の差をつけて独走。30度近くまで気温が上昇した暑さもあって中盤から失速し、37キロ付近で第2集団に追いつかれたが、大学時代と変わらぬ積極的なレース運びを見せた。箱根の「山の神」と呼ばれた青学大の神野大地(25=セルソース)、順大の今井正人(35=トヨタ自動車九州)はともに上位こそ絡めなかったが、平地のマラソンでも奮闘する姿を印象づけた。
レースは設楽を吸収し、9人で形成されていた第2集団が次々とペースアップ。人数が減っていくなか、常に集団の2番手に位置取っていた中村が40キロ前にスパート。大学時代から暑さに強く「もっと暑くなれと思っていた。余裕があった」と大迫に追いつかれた41キロ地点でもう1度スパートをかけ、逃げ切りに成功。優勝を狙い「足が残っていなかった」大迫を、「2位までに入ればいい」と冷静だった服部がかわし、2位に飛び込んだ。仕掛けるタイミング、駆け引きなど、緊迫感のなかで熱いレースが繰り広げられた。
男女4人が代表に内定。残り1枠ずつは今後「MGCファイナルチャレンジ」と呼ばれる指定大会で、派遣設定記録(男子2時間5分49秒、女子2時間22分22秒)を突破した選手がいない場合、MGC3位の大迫、女子は小原怜(29=天満屋)が代表権を得る。明確な基準を示し、客観性が確保された「一発選考」は実にわかりやすい。あとは1年後、五輪の結果がどう出るか。それも含めて、今回の改革が評価されることになるだろう。
【男子成績】(4位以下は主な選手)
1位 中村匠吾(富士通)2時間11分28秒
2位 服部勇馬(トヨタ自動車)2時間11分36秒
3位 大迫傑(ナイキ)2時間11分41秒
14位 設楽悠太(ホンダ)2時間16分9秒
17位 神野大地(セルソース)2時間17分40秒
25位 今井正人(トヨタ自動車九州)2時間21分15秒
27位 井上大仁(MHPS)2時間22分10秒
【女子成績】
1位 前田穂南(天満屋)2時間25分15秒
2位 鈴木亜由子(日本郵政グループ)2時間29分02秒
3位 小原怜(天満屋)2時間29分06秒
7位 福士加代子(ワコール)2時間33分29秒
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]