「恥ずべきだ」セーヌ川の汚染問題で“不都合な数字”が明るみに! 危険性に海外紙は怒り「馬鹿げた秘密文化がある」【パリ五輪】
「水道公社オー・ド・パリの分析結果は、セーヌ川の水質が五輪開幕以来、ほとんど不十分だったことが明らかになった。開幕日の7月26日以降、国際トライアスロン連盟が設定した基準内で泳げた日は、わずか20パーセント。つまり10日のうち2日だけだった」
そう検査結果を明るみにした『Mediapart』は、男女トライアスロン競技が行なわれた31日は水質基準を満たしていたとしつつ、トライアスロン混合リレーが行なわれた8月5日は基準以下であったと報告。
さらにサンプリングポイントの一つとなったグロ・カイユ港で100ミリリットルあたり436コロニー形成単位(CFU)の腸球菌(糞便の存在を示す細菌)を測定したという。ちなみにこの数値は、国際トライアスロン連盟が設定した『400CFU/100mL』という限界値を大幅に超えるものである。
この報告を受け、海外メディアも危機感を募らせる。
トライアスロン男子代表のタイラー・ミスラウチュクが嘔吐する事態となっていたカナダの日刊紙『Journal de quebec』は「セーヌ川で泳いだアスリートたちは胃に問題を抱える危険がある」と指摘。『Mediapart』のリポートを伝えた上で「誰もが何か怪しいことが起こっているのではないかと疑っていた。一連の騒動で何よりも恥ずべきはパリ大会委員会の危機管理だ。完全に馬鹿げた秘密文化がそこにはある」と厳しく論じた。
パリ市長のアンヌ・イダルゴは、5日に行われた混合リレー終了後に「これだけ馬鹿にされ、論争があったのに、セーヌ川の汚染がなくなり、人が泳げるようになった」「除染されたセーヌ川が私たちの生活を変えることを認めるべき。もう誰かを安心させる必要はない」と誇らしげに語っていたが、“泳げる綺麗な川”とするには、不安要素がありすぎる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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