元DeNA・林昌範 最下位に低迷する楽天で上位浮上のキーマンとは
球の質は他の投手とレベルが違う。心と体が一致すれば必ず状態は上がってくる
みなさん、こんにちは。元DeNAの林昌範です。連載企画12回目の今回は最下位に低迷する楽天について書かせて頂きます。
21日に仙台放送の「スポルたん!」のゲストでお仕事させて頂きました。現役引退後に初めて仙台に行きましたが、翌日に仙台出身のフィギュアスケート金メダリスト・羽生結弦の凱旋パレードが行われるということで沢山の人でごった返していました。スタジオで話す際は共演した方々が話しやすい環境を作って頂けたので、緊張がほぐれて話すことができました。
番組の中でも言及しましたが、楽天は弱いチームではありません。昨年は前半戦を首位で折り返して後半に息切れしましたがCSに進出。今年は最下位に低迷していますが、まだ4月です。僕は守護神・松井裕樹投手が上位浮上のキーマンだと思います。
同じ左の救援として松井投手の凄さは球の質だと思います。同じ腕の振りから精度の高い直球、スライダー、チェンジアップを操るので三振奪取率が高い。僕より実績が全然上なので分析するのもおこがましいですが、間違いなく球界を代表する左腕だと思います。今年の登板試合を見ると救援失敗が続いていますが球自体は悪くない。心と体がまだ一致していないのが原因ではないでしょうか。投手は難しいもので不調時に「腕を振ろう」と意識すると上半身に力が入り、力んで球がいかなくなります。状態の良い時は下半身を使って自然と腕が「振れている」フォームで投げられています。長いシーズンで思うような球を投げられない時期は誰にでもあります。松井投手も焦らずに調整すれば、自然と状態は上がっていくと思います。
抑えに松井投手がきっちりハマれば、落ち着いてゲームメイクできます。先発陣は則本、岸、美馬、藤平、辛島と力のある投手がそろっていますし、救援もハーマン、福山、高梨と勝利の方程式が確立しています。僕が仙台に行った21日はオリックスに敗れてしまいましたが、同級生の今江選手が本塁打を打ちました。梨田監督も日本ハム在籍時にお世話になったので気になる球団です。底力はあるチームなので巻き返しを期待したいですね。
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
林 昌範(はやし・まさのり)
1983年9月19日、千葉県船橋市生まれの34歳。市立船橋高から01年ドラフト7巡目で巨人入団。06年には自身最多の62試合に登板するなど主に救援で活躍。08年オフにトレードで日本ハムへ移籍した。11年に退団し、12年からDeNAに加入。昨オフに戦力外通告を受けて現役引退した。通算成績は421試合で22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3・49。186センチ、80キロ。左投左打。家族はフリーアナウンサーの京子夫人と1男1女。