敵地で降り注いだ拍手に反響 池江璃花子の生んだ“異例の光景”に中国メディアも感嘆「人々は礼儀を知った」【アジア大会】
池江の病魔との闘いについても綴った同メディアは「いまや当たり前のようにオリンピックと世界選手権にも出場する池江の歩んだ道のりは簡単なものじゃない。彼女の見せた粘り強い精神力はもっと多くの人に認められるべきだ」と指摘。そして、ことスポーツにおいては何かと衝突しがちな日中関係をふまえ、次のように論じた。
「金メダルを取れるかどうかに一喜一憂し、勝者だけに拍手を送る時代はもう終わりだ。つい40年前は決勝にすら進めなかった日本人選手が中国の観衆から惜しみない拍手を浴びることはまずなかった。当時のスポーツファンは親善試合の敗戦すら許そうとはしなかった」
さらに同メディアは異例とも言うべき敗者への拍手を送った会場の雰囲気を「中国人があらゆる敗北を恥だとみなすことはなくなった。人々は礼儀を知ったのだ。池江が受けた拍手がその証拠だ」と指摘。そして女子100メートルバタフライ決勝を制した張雨霏が池江に寄せたコメントを紹介している。
「池江は前回(ジャカルタ)のアジア大会では誰もが認める『天才少女』でした。今では、彼女がプールに姿を見せること、それが奇跡だと思います。私たちの誰にとっても、それは励ましなんです。自分の心の中に、自分の目標をもっと成し遂げようという力が生まれてくるんです」
一人の人間として称賛を集めた池江。現地9月29日に行われた女子50メートルバタフライでは銅メダルを掴んだ彼女の努力はライバル関係を超越し、世界で反響を呼んでいる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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