圧倒ぶりを示す「.085」 元阪神スアレスがMLBで飛躍する背景にある日本での日々「僕にとって最善の道だと思った」
パドレスの絶対的守護神として君臨するスアレス。(C)Getty Images
NPBで研鑽を積んだ剛腕は衰え知らず。いまやメジャーリーグでも屈指の守護神に成長を遂げている。パドレスのロベルト・スアレスだ。
33歳の剛腕がいかに図抜けた存在なのかは、結果が如実に物語る。ここまで18試合に登板して2勝0敗12セーブ、防御率0.47、WHIP0.67。さらに被打率.141。ほとんど打たれていないのである。
老いてなお意気軒昂のスアレス。世界最高峰と言われる舞台で飛躍を遂げてきた。ソフトバンクを経て、2020年に阪神に加入すると、守護神として2年連続で最多セーブ王となった男は、2021年オフに虎党たちに惜しまれながらもパドレスに移籍。2022年オフには5年4600万ドル(約70億4000万円)という中継ぎ投手としては破格の契約を結んだ。
快進撃の背景には、日本で続けた挑戦の日々がある。2015年に鳴り物入りでソフトバンクに入団してからの約6年間を本人は、米紙『San Diego Union Tribun』のインタビューで「自分に与えられたチャンスを考えると、あの時の僕には(日本行きが)最善の道だと思った。だからアメリカに行く前に滞在したんだ」と振り返っている。
瞬く間にスターダムをのし上がった。今季は開幕前にクローザーが決まっていなかったチーム事情の中で、熾烈な定位置争いに勝利。勝利の方程式の一角を担っている。
とりわけ圧巻なのは、阪神時代から質にこだわり、磨き上げてきた4シームだ。4月3日から22日(現地時間)にかけ、79球連続で投じて相手打者を圧倒。今季ここまでの被打率はわずかに.085と驚異の値を残している。