佐々木朗希の繰り返す“自滅”は必然 MLB関係者たちが漏らしていた「即戦力にあらず」の怪物が抱えた懸念点
メジャーリーグの大舞台で苦心する佐々木。(C)Getty Images
「もうほんとにシンプルに技術不足かなと」
米スポーツ専門局『Sports Net LA』のカメラに向け、そう悔しさをにじませたのは、ドジャースでの本拠地初登板を終えた佐々木朗希だ。現地時間3月29日にタイガースと対峙した一戦で、1回2/3(61球)を投げ、被安打3、4四球、2失点。押し出しで1点を失うなど、課題の制球力を露呈する内容に、「技術的なところでコントロール仕切れなかった」と言うしかなかった。
3回で降板した東京ドームでの前回登板も自己ワーストタイとなる5四球を献上。無念の早期降板を余儀なくされていた。MLB球への適応に加え、ピッチクロックへの対応などさまざまな事情が絡むにせよ、本領を発揮しきれていないのは事実だ。
2試合続けての“自滅降板”はやはり投手としていただけない。ゆえに佐々木にはシビアな声が飛んだ。期待の大きさもあって、課題が改善されない現状に不満が噴出し、その真価を疑問視する意見も一つや二つではなかった。
ただ、ここまでの苦戦は米球界内では「必然」という見方もある。というのも、昨冬にポスティングシステムの利用を公示し、メジャーリーグ移籍を本格化させたあたりから、佐々木に対しては「(メジャー挑戦は)時期尚早ではないか」という指摘があったからだ。
今年1月に佐々木についてまとめた記事を掲載した米スポーツ専門局『ESPN』は、複数の米球界関係者を紹介。その大半が特大の可能性を評価するものであったが、一部では「ササキは即戦力にあらず」という意見が飛んでいた。
NPBでの佐々木を「徹底的に追っていた」という匿名のスカウトは、「彼自身も、まだエース級に達していないことを知っている」と断言。そして、こうも論じていた。
「最初のシーズンにササキが先発ローテーションのトップクラスの地位を獲得できると考えている人は、自分自身に100%正直ではない」
NPBでの5年のキャリアを培った佐々木だが、規定投球回をクリアした経験はない。加えて中4日のサイクルが一般的なメジャーリーグでは負荷は高まるため、先述のスカウトのように「最初は苦戦する」という考えは至極当然であった。






