「技術があったら気持ちは関係ない」――米国でもがく怪物・佐々木朗希が掴む大谷翔平が極める“超一流の心理”
大谷を超える投手になる日も――
10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)というエポックメーキングな契約が誕生して間もない昨年4月。元専属通訳だった水原一平氏による巨額銀行詐欺事件が世間を賑わせ、大谷にもあらぬ疑惑が向けられていた。
稀代のスーパースターが巻き込まれた一大スキャンダルは米国内でも報道が過熱。当の大谷も事情聴取に応じたために重要視してきた睡眠時間を削られ、パフォーマンスが低下。想像以上の重圧下でのプレーを余儀なくされ続けていた。
誰もが成績不振の言い訳したくなる過酷な状況だった。しかし、大谷は違った。開幕から40打席ノーアーチと苦しんでいた4月3日にようやくドジャース移籍後第1号を放った天才は、超一流の思考をのぞかせた。
「メンタルを言い訳にしたくはないので、そこを含めて技術だと思ってますし、そこを含めて自分がここまで結果が出ていなかったと思います」
技術という拠り所が自分にしっかりと根付けば、どのような環境でも結果を出せる。それは「世界一」を本気で目指すトップアスリートらしい感覚でもあった。そしてロッテからのポスティング公表の際に「マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」と公言した佐々木も、偉才の境地にたどり着こうとしている。それは実に興味深い。
まだ23歳。「令和の怪物」と慄かれる天才投手も、いまだ進化の過程にいると言っていい。しかし、未完成だからこそ、今回のフィリーズ戦で何かを掴んだように見える佐々木が、どう変貌を遂げていくかは楽しみで仕方がない。
メジャーで通用する技術、そして己が信じる技術を極められれば、それこそ大谷を超える投手として名を馳せる日がやってくるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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