60日間のIL移行は「後退」ではない 佐々木朗希の離脱長期化に見るド軍の揺るがぬ意志「困難を経験しているのは分かっている」

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 実際、ドジャース側は佐々木を短期間で仕上げることに重きを置いていない。厳しい現実を突きつけられた現状をふまえたマーク・プライアー投手コーチは、米誌『Sports Illustrated』のインタビューで「今は彼が自信を持ってボールを投げられる状態を作らなければならない」と力説。そして、「必ずしも本格的に投げる練習は必要がない」とまで論じている。

 さらに遡れば、プライヤー投手コーチは、右肩の故障が判明する以前から佐々木を基礎から見直す意向を明らかにしていた。

「普通はこういったものはマイナーリーグのような環境で行うことで、成長に伴う困難を少しでも軽減できるものなんだ。我々はすでに成長に伴う困難を経験しているのは分かっているが、自ら進んで彼に拍車はかけたくない。今年は、我々全員にとって、いつものように学びの年になる」

 投球を基礎から作り直す行為は、NPBで5年のキャリアを重ね、自信を深めてきた佐々木にとって、やりきれない思いもあるかもしれない。それでも凡事徹底を図ろうと23歳の若武者に歩み寄ろうとするドジャースの姿勢には強い意志を感じざるを得ない。

 間違いなく世間が望んだデビューシーズンではない。それでも佐々木が躓いたところからいかに立ち直るのかに世界が熱視線を向けている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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