実戦デビューのロッテ・佐々木朗希に吉井理人投手コーチ「スピードガンをごみ箱に捨てたい」
「令和の怪物」と騒がれ続けてきたロッテの2年目右腕、佐々木朗希投手(19)が3月12日に本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われた中日とのオープン戦で実戦デビューを飾った。
中日とのオープン戦で実戦デビューしたロッテの佐々木朗希投手(鶴田真也撮影)
1イニング限定で6回から2番手で登板。中日の上位打線をわずか12球で三者凡退に抑え、非凡さを示した。変化球はスライダーの1球だけ。2番京田、3番阿部を内野ゴロに打ち取ると、4番ビシエドには初球からオール150キロ超えのストレートで勝負。5球目には高めのボール球ながらこの日最速の153キロを計測。最後は外角の152キロで見逃し三振に仕留めた。
注目されたのはやはり球速だ。12球のうち150キロ以上は10球。初の実戦マウンドで存分に豪腕を披露したが、高校時代に記録した163キロの10キロ落ち。一部には物足りなさを感じたファンもいたかもしれない。
実は入団1年目の昨年5月に行ったプロ初のシート打撃登板では160キロを2度計測していた。ところが、今年のキャンプ後に行った2度のシート打撃では明らかに抑え気味に投げていた。2月24日の1回目が149キロで、3月5日の2回目は152キロ。今回の実戦初登板について井口資仁監督は「ぴゅっと投げて153キロが出るんだから、まだ余力を残してるんじゃないかな」と感想を漏らした。
吉井理人投手コーチもこんなことを口にしていた。「まだ子どもの体なのに、あんだけのボールを投げられている。しかも感覚もいい子。変化球もうまく投げられている。どんな投手になるか楽しみ」。佐々木朗の体を「まだ子ども」と表現した。
さらには「(周りは)球速のことを言うんですけど、そういう競技ではないので。全く関係ない。速い球を投げるのが仕事ではない。球速はだんだん上がってくるかもしれないが、そこを目標としていない。ピッチャーなんでバッターをやっつけることを目標としている」とくぎを刺し、ジョーク交じりに「スピードガンをごみ箱に捨てたいくらい」とも語った。