米識者に「山本より上」と評される可能性なのになぜ? 佐々木朗希の“即メジャー移籍”が渋られている理由
ロッテが慎重に育ててきた佐々木。彼のポテンシャルは米球界でもすでに高い評価を受けている。(C)Getty Images
日本球界の至宝の動向は、海を越えた話題となっている。ロッテとの契約更改が公表されていない佐々木朗希だ。
昨年12月、ポスティングでのメジャーリーグ移籍を要望したと報じられた佐々木。プロ入り後4年で13者連続奪三振を含む1試合19奪三振などの怪記録を残したポテンシャルだけを単純に見れば、現在22歳の若武者は、「世界最高峰」と言われる舞台でも、難なくやれる可能性はある。
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しかし、メジャーは海外選手を獲得する際に生じる契約金制限の適用年齢が25歳からと労使協定で定められている。よって佐々木が現時点で移籍をする場合には、年間500万ドル(約7億2500万円)程度に抑えられたマイナー契約からのスタートとなる。
すでにメジャースカウトの垂涎の的となっている佐々木だけに、ポスティングによるメジャー契約が可能となる3年後であれば、莫大な譲渡金が見込める。ゆえに退団を容認する側のロッテとしても現時点での放出に“旨味”はない。
とはいえ、2017年のオフに23歳で海を渡った大谷翔平(日本ハム→エンゼルス)のような特例もある。当時に「投打両方は不可能だ」と懐疑論もあった二刀流スターは特大の才能を開花させ、いまや世界的なアスリートへと飛躍した。彼のようなケースを考えれば、いち早いメジャー移籍によって、適応にもある程度の時間をかけられ、よりスムーズに結果を出せるかもしれない。
無論、佐々木のポテンシャルは、すでに鵜の目鷹の目のアメリカ人識者たちも認めている。各国のトッププロスペクト事情に詳しい米専門誌『Baseball America』の元編集長であるジム・キャリス氏は、米メディア『Essentially Sport』で「ササキはメジャーリーグに所属していない中で世界最高の投手だ」と絶賛した。