佐々木朗希の100マイルは通用しない? 米スカウトたちが提議した怪物の“課題”「日本では問題にならないが、ここではそうはいかない」
佐々木の速球は並み居る強打者が集うMLBでも通用するのか。(C)産経新聞社
佐々木の平均球速は2.4キロもダウン
佐々木朗希を「怪物」たらしめるのは、やはり観る者の度肝を抜く100マイル(約160.9キロ)を超えるストレートと言える。対峙した打者に「一番手強かった」(元西武助っ人のブライアン・オグレディ談)と言わせるそれは、彼の投手としてのポテンシャルの高さを裏付けるものだと言っていい。
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もっとも、“野球の本場”での評価はシビアだ。現地時間1月17日にドジャースと契約した佐々木を特集する記事を掲載した米スポーツ専門局『ESPN』は、「彼の速球は素晴らしいが、まだ改善の余地がある」と指摘。ボールの“質”に問題を提起した。
自身の速球が依然として改善の余地があるというのは、おそらく当人も感じている。佐々木は今オフにMLB8球団との面談を行った際に「昨シーズン、日本でなぜ速球(の平均球速)が落ちたか。その原因を突き止め、二度と起きないと保証するためのプランを提示してください」と幹部たちに“宿題”を課したという。その報道からもストレートに対するこだわりの強さがうかがえる。
実際、佐々木の速球の質は低下傾向にある。
世界記録となる13者連続奪三振と史上最年少での完全試合を達成した22年のストレートの最速は164キロ。平均球速も158.3キロをマークしていたが、昨年は最速162キロで、平均球速は155.9キロに低下。相変わらず最速は160キロ台を維持しているものの、被打率も.302で、打ち込まれている印象が否めない。さらに空振り率も22年の9.8%から6.7%とダウン。上半身の疲労などの故障の影響もあるといえるが、2年で“劣化”は目に見える形として顕著に表れている。
ゆえに『ESPN』も問題視する。「打者がハイスピードの速球に慣れていない日本では、ササキの4シームはそれほど問題にはならないが、ここではそうはいかない」と断言し、あるベテランスカウトのコメントを紹介している。
「メジャーリーグの打者たちはタイミングを見計らってくる。とくに一流の打者たちはたとえ200マイル(約321.2キロ)を投げられようが、タイミングさえ合えば、打てる」