【エディージャパン検証】“生命線”が機能したアメリカ戦 トンガ戦への修正ポイントは?

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 相手のパワープレーに抗しきれず3トライを許したディフェンスもまだまだ改善すべき点は多い。ダブルタックルの精度は上がってきており、相手の攻撃を寸断する機会は増えてはきているが、自陣トライライン前でのモールからの雪崩こみという同じパターンを3回も許してしまったことは大いなる反省点だ。この辺をどう改善するのか、ギャリー・ゴールドディフェンスコーチのお手なみを拝見したい。

 一方、この試合で良かったのはなんと言ってもスクラム。一度反則を取られはしたものの、ほぼ全てのスクラムでプレッシャーをかけ続け、相手FWのスタミナを奪うとともに、チームにモメンタムを与え続けた。前半22分にはトライラインまで相手を押し込むスクラムトライまで奪ってみせた。

 また、4本目以降のトライがいずれもジャパンのアタックの生命線であるスピードとアジリティー、そして分厚いフォローを活かしたトライだったことは確実な進歩の証だ。どうしてもフィジカルで劣るジャパンが得点を挙げるには、相手ディフェンスをぶち破るのではなく、プレッシャーをかわしてボールをつなぎ、スピード豊かなランナーに託してディフェンスラインを置き去りにするようなアタックが理想だ。4本目のトライは中央付近の密集から李を経て、チャーリー・ローレンスがサム・グリーンへロングパスを送ってラインブレイク。さらにその外にいたスピードランナーの石田が大きくゲインして、福田健太へ繋ぎ、最後はフォローした下川甲嗣が挙げた。相手の穴を見つけ、そこを素早く鋭く突いたこのトライは「超速AS ONE」の一つの理想型であったと思う。

 予選プールBを1位通過したジャパンの次の相手はプールA2位のトンガ。世界ランクは17位だが、同14位のサモアに勝利しており、フィジカルに強みを持つ油断ならない相手だ。この試合でディフェンスの課題が浮き彫りとなったが、9月14日までにどこまで修正できるのか注目していきたい。





[文:江良与一]

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