ドラフト野手の目玉、宗山塁の将来像は? 比較される鳥谷を超えるために求められる要素

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 ただもちろん2人は別の選手であり、それぞれ異なった特長を持っていることも確かだ。

 大学時代の鳥谷と比べて宗山が上回っていると感じるのはやはり守備だ。鳥谷ももちろん高い守備力のある選手だったが、見ている観客が沸くようなプレーは明らかに宗山の方が多く、安定感も勝っているように見える。阪神でともに鳥谷とプレーした赤星憲広も、プロ入り当時の鳥谷の守備はあらゆる面で課題が多く、年々レベルアップしていった印象だったと話していた。

 一方で宗山が鳥谷と比べて少し物足りないのが走塁面だ。単純な脚力以上に鳥谷が素晴らしかったのがその意識で、常に一塁まで全力疾走を怠らず、次の塁を狙う姿勢も目立っていた。鳥谷が在籍していた当時の早稲田大は3年春から4年秋までリーグ4連覇を達成する常勝チームであり、意識の高い選手が揃っていたという点もありそうだが、プロ入り後も年々盗塁数を増やして通算6度のシーズン二桁盗塁もマークしている。宗山も脚力アップに取り組んでおり、下級生の頃よりもスピードも増しているが、そこまで走塁で目立つシーンは多くない印象だ。

 そして宗山が鳥谷に近づき、超えるために必要なのはやはり身体の強さではないだろうか。鳥谷は現役時代に歴代2位となる1939試合連続出場を記録するなど、常に試合に出続けてレベルアップしてきた選手だった。そんな球史に残る選手と比較されるのはもちろん大変なことだが、肩を並べて超えていくにはその部分は避けては通れないところである。

 この春は怪我に苦しんだだけに、その経験をどう生かしていくのか。プロ野球選手としての宗山にとって、大きなテーマとなりそうだ。

[文:西尾典文]

【著者プロフィール】

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。

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