ロールス・ロイスを手放した強打者も…引退後のプロ野球選手は一般市民に戻れるのか 待ち受ける「第一関門」とは
それは第二の人生を始めるための区切りとも言える「儀式」でした。
昨季限りで現役を引退した元中日ドラゴンズの強打者・平田良介さんが5月28日、TBS系の「THEプラチナリスト~スターが生まれた伝説の名簿~」に出演し、約5000万円とも言われる愛車のロールス・ロイスを売却したのです。
「プロ野球選手になれば、こういう車も買えるんだよ-と。見栄の部分もあって買っちゃいました」
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番組内では、さらにこう続けました。
「これから2つ目の人生が始まりますんで、もういいんですよ。見栄張る必要もないんで」
オンエア後はSNSを中心にこの話題で盛り上がり、「プロ野球選手とセカンドキャリア」という論点を巡り、様々な意見が噴出しました。
在京スポーツ紙の記者は言います。
「2023年のプロ野球選手平均年俸は4468万円。2021年の、1年を通して働いた日本人男性の平均年収は545万円とされますから、単純計算で8倍から9倍を稼ぐわけです。そんな選手にもある日突然、戦力外通告がやってくる。高級外車に高級腕時計の生活に慣れた人間にとって、第一関門は『電車で移動できるか』だと言います」
電車で移動できるかって、小学生じゃないんだからと思いますが…。
前述の記者はこう語気を強めるのです。
「プロ野球選手にとって、『電車に乗らなくなること』は若手時代の二軍生活に別れを告げ、バリバリのレギュラーに定着することと同義なんです。そしてこの生活に慣れてしまうと、『電車に乗ること=自ら到達した座から降りる』という思考回路が形成される。大卒や社会人出身の選手はその点、そこそこ一般常識もわきまえているので心配いらないですが、高卒のスター選手は特に『降りた自分を受け入れられない』ということで、悩むとよく聞きますね」