「古賀しかいない」と真鍋監督が信頼を寄せるキャプテン 引退を決めた古賀紗理那が「背番号3」をつける意味「外の声を気にする必要がない」【パリ五輪】
今大会で現役生活に別れを告げる古賀。すべてをコートで表現してくれるはずだ(C)Getty Images
バレーボールの女子日本代表はパリ五輪での目標を「メダル」と設定した。最後に五輪のメダルを獲得したのは2012年のロンドン大会で、そのとき指揮を執っていたのが、現在の代表を率いる眞鍋政義監督である。
果たして、その可能性は――。
前回の東京2020五輪で29年ぶりとなる決勝トーナメント進出を果たし、その後、ネーションズリーグでは2023年大会で銅メダル、今年は準優勝、と飛躍を遂げてきた男子日本代表は大会直前の親善試合で世界ランク1位のポーランドから勝利するなど、パリ五輪ではメダル候補どころか優勝だって夢ではないと目される。対する女子は、2022年世界選手権はベスト8、昨年のパリ五輪予選では出場権獲得ならず。さらに世界の強豪国を見ればトルコやセルビア、イタリアなど男子選手並みの大型アタッカーを擁するチームが国際大会の上位に君臨し、メダル争いを制するうえで多くの壁が立ちはだかる。決して容易でないのは男子も同様だが。
それでも女子日本代表は今年のネーションズリーグ準決勝で、宿敵ともいえるブラジルを下し、史上初の決勝に進出。最後はイタリアに敗れたものの、準優勝に輝いた。機運は高まりつつあるのもまた事実である。
そのチームの中心としてコートに立つ古賀紗理那はパリ五輪に向けた記者会見の場で、ハッキリと口にした。
「目標に向かっていく、その過程を大事にしたい。大きなことを言うのは全然恥ずかしいことではありませんし、外の声を気にする必要がない。自分が『メダルを獲りたい、獲る』、その気持ちでいます」
思えば、2022年からの新たなオリンピックサイクルで、眞鍋監督は「パリ五輪でメダルを獲る」を目標に掲げてチームづくりをスタートさせた。そのキャプテンを託されたのが古賀だった。その理由を「彼女は東京2020五輪の初戦こそ怪我をしてしまいましたが、その後復活し、素晴らしい活躍をしました。キャプテンというポジションは誰にでもできない。また、私が前回指揮した2016年のリオデジャネイロ五輪では最終的にメンバーから外れました。悔しい経験をした分、古賀しかいない、そう考えて打診しました」と眞鍋監督と語った。