「星野仙一記念館」が閉館・・・個人経営の記念館の運営継続が難しい理由とは
中日、阪神、楽天の3球団で監督を務め、2018年に70歳で死去した星野仙一さんのゆかりの品を展示してきた岡山県倉敷市の「星野仙一記念館」が11月30日をもって閉館した。
星野仙一記念館の外観と、星野仙一さんの胸像
生前の2008年3月にオープンしたが、初年度から携わってきた延原敏朗館長(80)が自身の体調や年齢を理由に運営を続けることが難しいと判断した。昨年、今年と新型コロナウイルス感染拡大で来場者が激減したことはあったものの、開館から13年8カ月で来場者はのべ50万人を記録。赤字を出すことなく、乗り切ることができた。
倉敷市は星野さんの故郷で、1000点にも及ぶ収蔵品は全て倉敷市役所に寄贈されることが決まっており、その中には陳列用のショーケースや記念館前に建立された胸像なども含まれている。最終日に来館した伊東香織市長は「どのような形になるか検討中ですが、皆さんにご覧いただけるように考えていきたいと思います」と今後も市の施設などで展示の機会をつくる意向を示したが、具体的な構想については明言を避けた。
館長を務めた延原さんは「星野さんはオープン当初には『ワシの応接間ができた』と喜ばれたが、亡くなる半年前くらいには閉館してくれとおっしゃられた。自分が亡くなった後には必ず記念館はつぶれるだろうという考え方だったと思う」と話した。
実際に個人経営の記念館は運営を継続するのが難しい。代表的な施設として「松井秀喜ベースボールミュージアム」(石川県能美市)、「イチロー展示ルーム『I-fain』」(愛知県豊山町)、「野村克也ベースボールギャラリー」(京都府京丹後市)、「落合博満野球記念館」(和歌山県太地町)、「スペース11ダルビッシュミュージアム」(神戸市)、PayPayドームに併設された「王貞治ミュージアム」(福岡市)などがある。