解雇騒動から一転残留へ レッドブルは、なにゆえペレスにこだわるのか
今季のペレスの成績を考えれば夏のドライバー交代も考えられたが…(C)Getty Images
レッドブルから解雇される恐れもあったセルジオ・ペレス(メキシコ)が今後もチームに残留することが7月29日、決まった。この日、チームの本社でクリスチャン・ホーナー代表と人事を統括するヘムルート・マルコ特別顧問がペレスの今後について協議し、選手交代はしない方針を確認した。これで同じレッドブルグループのRBに所属する角田裕毅の昇格人事は見送られた。
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『ESPN』など欧州メディアによると、ホーナー代表は方針を決めた後、チーム従業員に「ここ最近は臆測を呼んできたが、チェコ(ペレスの愛称)はレッドブルレーシングのドライバーのままであり、夏休み後も、優れた成績を残してきたレーシングトラックで彼のパフォーマンスを見るのを楽しみにしている」と伝えたという。
ただし、この選択肢が凶に出るのでは、と危惧する関係者は多い。前戦ベルギーGPではポイントリーダーのマックス・フェルスタッペン(オランダ)がパワーユニット交換によるグリッド降格の影響もあり4位。車重違反でメルセデスのジョージ・ラッセル(英国)の優勝取り消しがなければ、5位に沈んでいた。
チームメートをアシストする任務もあるペレスは7位と振るわず、9戦連続で表彰台に届かなかった。ドライバーズランキングも7位に低迷し、思うように機能していない。
そのためチャンピオン争いも盤石ではなくなってきた。特にコンストラクターズ(製造者)タイトル争いでレッドブルはランキング首位にいるものの、2位のマクラーレンに猛追され、その差は42点に詰まった。チーム内でもマクラーレンにコンストラクターズタイトルを奪われるのではないかとビビり始めており、ペレスの残留に疑問を抱くスタッフも多いという。