「リリーバーは6月の頭がカギ」元近鉄・佐野慈紀氏が阪神救援陣起用に見る“V奪回への道”

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 また、かつて佐野氏は岩崎のストッパー適性を見抜いたこともあったという。

 当時の阪神監督を務めた金本知憲氏に意見を求められた際には「絶対にストッパーが合っていると話しました」(佐野氏)。

 理由に関しても「僕がストッパーが合うと判断した理由の1つがストレートの角度ですね。糸を引くようにシューっと伸びてくる直球というのは、回を追うごとに打者の目が慣れてくるという部分もあるんです。制球力は抜群ですし、ストッパーなら持ち味が生きると感じていました」とあえて、短いイニングで力を出し切るほうが向いていると勧めたというのだ。

 岩崎は2013年ドラフト6位でタイガース入団。入団時は先発として新人で5勝を挙げるなど活躍したが、金本監督1年目となる2016年終盤にリリーフ転向を打診された。今季は5月に球団では藤川球児監督以来となる「100セーブ&100ホールド」を達成したことも話題を集めた。日本一となった2023シーズン含め、試合の終盤には欠かせない投手の1人となっている。

 藤川監督率いるタイガースは交流戦に入ってからも順調に貯金を積み重ね、首位を爆走している。

 優勝への道が自身がこだわりを持つ救援運用にあることは間違いない。今後もいかに「勝利の方程式」を構築していくのか、佐野氏も注目していくという。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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