なぜ今季の戸郷は勝てないのか 早くも5敗目 阿部巨人の泣きどころを近鉄OBの佐野慈紀氏が考察 「フォークの変化が…」
それが8日の試合では「しっかりとベース前で変化していた」ことで、打者を封じ込め勝ち星につながったとした。
しかし迎えた15日の試合ではオリックス打線に直球、フォークとも再び捉えられたとあって、再生は道半ばといえそうだ。また、佐野氏は打線の状態も投手陣に陰を落としているとした。「まだまだ打撃陣も物足りなさはあります。波がありすぎるというんですかね。それがチームの状態を表している気がしますね」ときっぱり。週末のオリックス3連戦を3連敗となったチームでは直近6試合で本塁打なしと持前の長打力を欠いていることもクローズアップされている。
「投手だったらこの選手が引っ張る、打者だったらこの選手が引っ張るんだ、というものがまだ見えてこない。エースが活躍していないと、現在調子がいい投手にも影響します」と佐野氏はいずれにせよ、上昇気流を捉えるには開幕投手を務めた投手陣の柱、戸郷の復活が欠かせないと強調。
昨季はノーヒットノーランを達成と着実にここまで階段を上がってきた若きエースがトンネルを抜けるのはいつとなるのか。佐野氏も見守っていきたいとした。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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