「学んでいる選手はめちゃくちゃ多くいる」川端慎吾が浸透させた“情熱”――刻んだ1100本目の安打「初めて楽しみながら打席に」
2015年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、燕の安打製造機として三塁のレギュラーをつかんだが、ケガの影響で思うような成績を残せない日々も味わった。近年は代打で1試合1打席が勝負だった。21年に代打打率「.366」という驚くべき数字を残したが、昨季は代打での打率が「.224」と低迷。すべてが順調だったわけではない。
「逆方向へ力の伝わった打球が打てない」という理由から、大松コーチとともに、横と正面からトスするボールを打ち込む練習を繰り返し、打撃の改善を図った。
大松コーチは「メンタル面がかなり重要。基本的にはうまくいかないことの方が多い。21年みたいに年間通して好成績を代打で残すのはなかなか難しい」と、一振りに懸ける川端の心情を慮った。
川端はこの日「あと1本打ちたい」と話していた通算1100本目の安打を放った。これまでは重圧を感じながら結果を残してきたが、この日の打席だけは違った。
「いつもこんな感じで立てれば打てるんじゃないかと思うぐらい、すごくリラックスして、初めて楽しみながら打席に入れました」
28日の本拠地最終戦も打席に立つ予定で、「明日(28日)は最後なんで、厳しいでしょうね。泣いちゃうと思います」と、背番号「5」は公式戦最後の試合に思いを馳せていた。
[文:別府勉]
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